こんにちは…
元漫画家・ペンスールです!
今回のお題は…
✔たった1時間でファンを作る方法です。
前置きは抜きにして、早速はじめさせていただきます。
河川敷での出会い
それは ある日の昼下がり。
私がBUYMAの商品を発送にいった帰り道でした。
(ご存じない方もいるかもしれませんが、私はBUYMAで物販も行っています。現在は徐々に業務の引継ぎをしているのですが、この時は全ての作業を自分でやっていました)
その日は雲行きが怪しかったんですよね。
『これは夕立がきそうだな…早めに発送いくか』
そう思い、いつもより早めに郵便局に向かいました。
幸い雨に降られることはなく無事発送は完了。
その足でなんとなく河川敷へ向かいました。
川を眺めるの、好きなんですよね。
『まだ降らなそうだな』
空を見る限りまだ雨の気配はありません。
しかし、その寄り道により私は大雨に見舞われます。笑
そのまま帰っていればよかったものを…。
雨に打たれて…
土手って要所要所で休憩所があったりしますよね?
トイレと併設したちょっとしたスペースみたいなもの。
そこまで走りました。
視界が悪かったため
屋根の下に付くまで気づかなかったんですが、
先客がいたんです。
お歳にして70~80歳であろうご老人。
(ご老人だと少々長いので、ここでは『翁』と呼ばせていただきましょう)
彼もまた私と同様に雨を凌ぐために、
その場にやってきていました。
雨の激しさから
すぐに止むだろうと思っていたのですが、
勢いは強まるばかり。
翁と私、2人の空間。
時間にして2~3分の沈黙が
あったでしょうか。
「まだこの時間だから良かったが、もう少し遅かったらあの辺は浸かっていたかもな」
ふいに翁はそう発しました。
その場を持たせるためだとは思いましたが、
もしかしたら独り言だったのかもしれません。
スルーしても良かったのかもしれませんが、
“時間と川の水位に何の関係があるのか?”
私の頭は自然とその答えを探していました。
“時間と川の水位”その答えとは?
私:「…」
少し考えて、答えは出ます。
その川は東京湾に繋がっているものだったんです。
私:「東京湾の潮の満ち引きってこの川にも影響するんですか?」
私はそう返しまていました。
翁:「あぁ、そうだよ。あそこの堤防、色が変わってるところがあるだろ?満潮だとあそこまで水位が上がるんだ」
私:「ここから東京湾まで結構距離ありますよね?この川にまで影響あるなんて知りませんでした」
翁:「10キロ、15キロくらいか。私も定年直後くらいは自転車を買って、よく言ってたんだがね。もうさすがに身体が動かんよ」
定年退職された方が自転車で15キロのサイクリング。
しかも話を聞くにロードバイクを買われたようでした。
私:「凄いですね!何かスポーツをやられていたとか?」
翁:「大学まで野球をやっていてね」
私:「そのお歳で大学野球って凄いですね!?六大学野球ですか?」
翁:「あぁ立教大でピッチャーをやっていたんだよ」
※ちょっとここで余談
私はスポーツが大好きでして。
特に野球・サッカー・バスケは往年の名選手から現在に至るまで、
手前味噌ではありますがなかなかの情報量を
頭にインストールしてあります。
こと野球に関して言えば
アメリカから野球がやってきた
戦前の歴史から知っていたり。
この趣味により、
私は年齢差が“半世紀”程あろうとも、
ほとんど誰とでも会話ができます。
(年配の方と話すとき、野球・相撲・プロレスあたりを話せると話題は尽きませんね。私は相撲とプロレスはそこまで詳しくありませんが…笑)
ちなみに翁が大学に進学したであろう
1960年頃の大学進学率は10%未満。
現在が約60%の進学率であるということを考えれば、
かなりのエリートである、
ということがお分かりいただけるかと思います。
さて時間軸を戻しましょう
※ここからかなりマニアックな話が続きます。
私:「立教でピッチャー!めちゃくちゃエリートじゃないですか!!」
翁:「いやいや、そういうわけでもないが。」
「球は速くなかったんだが、アンダースローでね。皆見たこともないから、そういう意味であまり打たれることはなかったんだけどね」
「ただ体に負担のかかる投げ方だからなぁ…身体を壊してしまってね。プロも考えたけど、野球は大学までで辞めてしまったんだ」
私:「アンダースローは普通に投げるだけでも難しそうですもんね。」
翁:「そうなんだよ。当然、私の周りにも1人もいやしないから、プロの投球フォームを見よう見まねでね……」
他にもここには書ききれないくらい、
当時の野球の話で盛り上がりました。
『あの頃の野球は良かった。やはり華があったよ』
『子供が集まって遊ぶと言えば野球くらいしかない時代で…』
『私が大学まで続けたのも その延長だなぁ』
私は生き生きと昔話をする翁を見ながら、
彼の学生時代に想いを馳せました。
大げさではなく、
彼がアンダースローでピッチングをする姿が
目の前に浮かんだんです。
長野から上京して、
見知らぬ地で野球に打ち込む。
戦後の時代を生き抜いた彼の話を
“野球”という共通の趣味を通して
共有させていただいたんですね。
さらに時間は流れて…
その後も往年の野球話は大いに盛り上がり、
徐々に話題は移ろいます。
『どの辺に住んでいるんだい?』
『あぁ、あの辺は住所の表記が変わってるだろ?区画整理があったんだよ』
『じゃあ、近くにあの神社があるよな。鳥居の所に根っこだけ残された大きな木があるだろ?』
『雷が落ちてあぁなってしまったんだよ』
『私も地方から出てきたんだが、いつの間にかこの土地に居座ってしまったね』
私はその街に越してきたばかりで
何も知らない状態だったのですが、
ご老人のお陰でその街の辿ってきた歴史を
知ることができました。
時間にして約1時間。
その1時間で“彼とその街の歴史”をまるで時間旅行をするかのように。
翁:「おっ…だいぶ弱まってきたかな?ずいぶん長く話してしまったようだ。すまなかったね」
私:「いえ。めちゃくちゃ楽しかったです!」
翁:「それじゃ失礼するね」
私:「本当に楽しかったです!またお会いしましょう」
そう言葉を交わし、
河川敷の休憩所を後にしました。
その後、
何度も河川敷へ散歩に行きましたが、
遂に彼と会うことはなかったんですね。
しかし、
あの1時間の会話は今でも鮮明に覚えていますし、
私の大切な思い出となっています。
さいごに
さて、いかがでしたか?
そのご老人からしたら、
ただの昔話だったのかもしれません。
しかし私にとっては
この上なく楽しく魅力的な
ドキュメンタリー映画のようでした。
その1時間で元立教大のアンダースローピッチャーの
ファンになってしまうくらいの。
自称ネット起業家の
“自慢交じりの”クッソつまらん講演会に行くくらいなら、
もう一度彼に会うためにお金を使いたいですね、私は。
つまり、今回私は何を伝えたかったのか?
人生を語るだけで“ファン”は作れるんです。
✔価値提供?
✔ブランディング?
✔ファンライティング?
そんなもの必要すらないんですよ。
実は“誰かの人生”とは
それ程までに価値があるものなんです。
もちろん、語り方の巧拙はありますが…。
あなたの人生はどんなものですか?
一度、棚卸ししてみてください。
そして、よければ
コメントで私に教えてください。
それでは今回はこの辺で👋